【プール化??】ノートルダム大聖堂の再建はどうあるべきか
皆さんこんにちは!ぷくぷくです😊
先月4月15日、フランス・パリのノートルダム大聖堂で大規模な火災が発生したことはまだ記憶に新しいと思います。
現地の方はもちろん、私も含め世界中でも多くの人々が悲しみに包まれました。
あの火災からおよそ1か月がたった今、ノートルダム大聖堂の再建案が大きく話題になっています。
斬新すぎる!?賛否両論のデザイン
火災の後、フランスのマクロン大統領は「ノートルダム大聖堂の5年以内の再建を目指す」と発言、その後フランス政府は焼け落ちた「尖塔」の再建に関しての国際コンペを実施、世界中のデザイナーや建築家が計画を出し合い話題になっています。
そもそも、フランス国内では再建を急ぐマクロン大統領に対し、「歴史的価値のあるものの再建案を焦るべきではない」、「大統領が急ぐのは自分の手柄にしたいからだ」などの厳しい声が相次いでいました。
そんな中実施された国際コンペがさらに波紋を広げているんです。
いったいどんな案が出ているのか見てみましょう。
屋上がプール??
ご覧の通り、もともと尖塔が立っていた部分には、立派なプールがあります(笑)
こちらはスウェーデンのデザイン会社が発案したものですが、記事によると会社側は
パリの比類のない景色と建物を補完する空間体験を産み、瞑想的な公共の場となるだろうとアピールしている。
とのことですがこれはどうなんでしょうか・・・
正直やりすぎというか、批判されても仕方がない気がします😅
ネット上では
「これは神の家に対する冒涜」「ディズニーランドではなくて歴史的建造物なのだから元通りにするべき」「プールになることはないと思うが、ちょっとだけ泳いでみたいと思った」「駐車場にするという手もある」「いいアイディアだと思うけれどなあ、プール」「少なくとも次の火災は早く消せそうだ」
などの声が上がっているようです。
クリスタルの塔
こちらはイタリア人建築家「マッシミリアーノ・フクサス」さんの案です。
もともとあった屋根と尖塔をクリスタルで表現するという提案。
プールよりかは原型がある分まだ好評なようです(笑)
緑あふれる回廊!
パリの建築事務所「NAB」が発案したのがこちら、ガラス張りにすることで温室のような空間を作り出し、緑あふれる回廊にすることで市民の憩いの場として利用する。
また、尖塔では養蜂場を設けてハチミツを採取する計画もあるとのことです。
尖塔は必要ない!?
今までのようなノートルダム大聖堂の姿を望む人が多い中、一部では以前のような尖塔は必要なく、「今の時代にあった新しいノートルダム大聖堂の姿を表現するべきだ」という意見もあると言います。
そんな中、デザイナーのマシュー・レナーさんはその意見を踏まえ、金属による燃え盛る炎で尖塔を表現しようと提案しました。
一見ぶっ飛んだデザインに思えますが、コメントなどの反応を見ると一部の方々には好評なようです。
このように斬新な案が世界中で出回っていますが、フランスメディアの調査によると元の姿を復元すべきと答えたひとは55%、未回答を除いて新しい姿として復元すべきと答えた人は44%とのことです。
数値を見ればわかるように、意外にも新しい姿の復元をの望む人も多く、これも時代の流れとともに歴史的建造物も変化をしていくべきということなのでしょうか。
では、ノートルダム大聖堂の今までの歴史ではどのような変化がもたらされてきたのか、そこを見ていきたいと思います。
歴史的に新しい復元はあり??
もともとノートルダム大聖堂のは1163年に建設が始まりました。
その後建設作業はおよそ87年間にわたって行われ、1250年には全面が完成しました。
完成後は「西洋最大のカトリック教会」としてみなされ、その役目を果たしてきました。
しかし、1789年の「フランス革命」以降、自由思想を持ち宗教を批判する市民たちによってノートルダム大聖堂は破壊や略奪が繰り替えされました。
その結果、ノートルダム大聖堂は様々な破壊により廃墟と化してしまったのです。
その後、ヴィクトル・ユゴーの「ノートルダム・ド・パリ」の出版の影響で国民全体がノートルダム大聖堂復興を訴え、1843年にはフランス政府が復興を決定し、1845年に本格的な修繕が始まりました。
その修繕作業では1330年のノートルダム大聖堂を想定し完全なる復元を目指していました。特にシンボルともなる尖塔の復元には力を入れていました。
しかし、尖塔は落雷によってたびたび炎上し、倒壊の危険があったため1792年に一度撤去されたのです。
その後、一時は撤去された尖塔もヴィオレ・ル・デュクという人物らが修復に取り掛かり、その際の復元案として従来と同じではなく、高さは今までより10メートル高くし、大きな変更として塔を囲むように十二使徒の彫刻が加えられるなど、デザインもより豊かなものにしました。
このように、歴史的に見てもノートルダム大聖堂はその時代にあった改修工事がなされており、一概にも今回のような新しい再建案がふさわしくないとは言い切れませんね。
フランスはどうするべきか
このように、フランス国民中でも思考は異なり政府への反発も強まる中、フランスはどのような形で再建を進めていくべきなのか、ある記事の中でパリの専門家はこう語っています。
パリのソルボンヌ大学で文化財の保存について研究しているドミニク・プロ教授は「パリという街や社会で大聖堂がどう位置づけられるのか、その解釈も含めた提案は出ていないように思われる」と指摘しました。
プロ教授は、焼け落ちたせん塔は19世紀に増設されたものですが当時の建築家が中世の建築を研究し、その精神を受け継いで建設にあたったため大聖堂本体と違和感なくなじんでいたと、説明しました。
そのうえで、プロ教授は「派手な形を想像するばかりでは、歴史的な建築物の修復という特性を見失いかねない」として再建にあたっては、大聖堂や街との一体性も含めて、デザインを慎重に検討すべきだという考えを示しました。引用元https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190515/k10011916301000.html
この専門家が言うように、以前の修復では尖塔の意味も含め慎重に研究・発案・作業がなされてきました。
しかし、今現在のフランス政府は「5年以内の再建」にとらわれ、ノートルダム大聖堂の大聖堂としての在り方への考慮が足りないと批判されても仕方がないと思われます。
また、一部の有識者のよれば根本的に19世紀の建築技術を持つ職人の不足や、12~13世紀の建てられた建物にあうような石灰岩を、21世紀の今見つけることはかなり難しいとしており、それに見合った代替えの資材を選ぶことが重要とするなど、今まで通りの復元も難航するとされています。
このように、世界各国から様々な声が飛び交い議論がなされていますが、フランス政府が「5年以内の再建」を目指す今、再建案が決まるのもそう遠くないでしょう。
それまでは、様々な意見に耳を傾けつつも、フランス政府の動きを見守るしかなさそうですね😅
最後までお読みいただきありがとうございました!
少しでもノートルダム大聖堂の件について知っていただければ幸いです。
それでは、以上ぷくぷくでした!